大気の放射(1)
本日は、気象予報士講座の5章、大気の放射をみてみましょす。
ここでは大きくは以下の2つの放射が出てきます。「太陽放射」と「地球放射」です。ざっくりいうと、太陽から放射エネルギー(可視光線含む電磁波とか)で地球が温められ、それによって地球からも宇宙に放射が発生する、とまぁそんな感じのようです。
基本は上記のように非常に単純(太陽が地球温める、地球から放射する)なんですが、太陽放射は100%地球を温めるわけではなく、地球も地表が温まった分をすべて放射するのではなく、温室効果ガスによって地表からの放射が大気に吸収される(それでまた地球が温まる)といった要素があるので中々に複雑です。それを図示すると以下の様な感じ。なのでこの章では、様々な定義、数式がでてきます。なのでそのいくつかを紹介したいと思います。
<黒体>
どんな波長の電磁波でも、入射してきた電磁波は全て完全に吸収する。それで与えられた温度で理論上最大のエネルギーを放射するという仮想的な物体
<プランクの法則>
黒体の温度が高いほど、短い波長の電磁波(エネルギー大)を強く放射することができる。
黒体の温度が高いほど、多くのエネルギーを放射できる(全放射強度が大きい)
<ステファン・ボルツマンの法則>
黒体放射の放射強度は射出する物体の絶対温度の4乗に比例する。
例えば、太陽は6000k、地球は300kの場合、太陽の絶対温度は地球の20倍なので、太陽の全放射強度は地球の16万倍!
<ウィーンの変位則>
最大放射強度を与える波長は温度に反比例する。
太陽は6000k、地球は300kとした場合、太陽は、2897÷6000≒0.48μm、地球は、2897÷300≒9.66μm
<レイリー散乱>
光の波長と比べ、直径が非常に小さい物質(電磁波の波長>粒子の半径)に光がぶつかったときの散乱。
空気(窒素や酸素)の分子は、可視光線の波長(0.38μm~0.77μm)の10分の1程度の大きさなので、光の波長よりもかなり小さい粒子といえる。空が青く見えるのは、レイリー散乱によるものだそうです。
<ミー散乱>
雲粒やエアロゾルによる散乱。散乱の強度はあまり波長に影響しない。雲が白く見えたり、大気汚染が酷い時の空が白く見えるのはミー散乱によるもの。
<幾何学的散乱>
雨粒や氷晶など、水滴内に入射した太陽光線が、波長による屈折率の差によって紫~赤に光りが分解されて虹が見える。
これらの散乱に関しては、佐々木先生の以前の日記「気象の勉強でビックリしたことが…」にも紹介されていましたね。
この大気の放射に関しては、まだまだ法則とかが出てくるのですが、ボリュームが多いので一旦ここまでの紹介に留めておきます。各種用語(法則)などは、また別の機会に紹介致します。
※この記事は、受講体験記なので、言葉の解釈等、誤解があるかもしれません。
※気象予報士の学習には、本編講座をご利用ください。
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