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2号さん

台風2号さんは、大そうお元気そうだということで…
1号が誕生した時にも台風について書きましたが、今日は台風の続編ということで

 

<モーレツな台風

今回の2号さんは、その元気さから「猛烈な」という称号を与えられ現在、フィリピンの東海上を元気に北上中です。
衛星画像みると、すごくキレイな渦巻きでモーレツの名に相応しいこと…。

 <27日15時 可視画像>
 

台風の勢力は、別に雰囲気で言ってるわけではありません。
ちゃんと決まりがあるのです。

 台風の強さの階級
  →中心付近の最大風速によって、3段階に分けられます。

 ①強い      33m/s以上~44m/s未満
②非常に強い     44m/s以上~54m/s未満  
③猛烈な             54m/s以上

 今回の2号さんは「猛烈な」台風ですから、一番強い分類です。

 台風の大きさの階級
  →風速が15m/s以上の半径の大きさで分けられています。

 ①大型(大きい)       500km以上~800km未満
②超大型(非常に大きい)  800km以上

 

実際、2号さんの実況はこんな表記になってますよ。

確かに、2号さんは「猛烈な」台風ですが
大きさについては書いてません。
この表記の中では、一番下の行「強風域」というのが風速15m/s以上の風が吹いている半径ということなのですが、確かに半径500kmに達していません。つまり、2号さんは…

「猛烈だけど大きくはない」台風なのです

ちなみに、2000年以前は、強さに関して「並みの強さの台風」という表現や、大きさに関しても「ごく小さい」とか「小型」という言葉が使われ、現在の階級分けよりもさらに下にランクがあったのですが…

言葉として「小型」や「弱い」と言うと、大したことない台風だから大丈夫だ、とか安心だとか、防災上重大な誤解を生む(生んだ)可能性があるということで、廃止されました。

 

そうです。つまり台風

大きさや強さのランク分けに関わらず防災上の備えがとても重要で、油断なりませんぞ

台風に伴う気象災害>

一口に台風と言っても、雨・風はもちろん他にも様々な災害を

引き起こす恐れがあります。

①大雨
台風の中心付近には、眼を取り囲むように二重、三重に発達した雲域があります。
そのため、台風が近付いてくると断続的に強い雨がもたらされます。

 また、台風の非常に湿った空気が山の斜面に吹きつけると、局地的に予想以上の雲が発達してしまう場合があります。すると予期せぬ大雨をもたらす危険があります。

台風が遠くにあっても油断なりません。例えば、今回のように日本付近に梅雨前線が停滞していると、台風の北上によって
前線の活動が活発化します。すると、台風本体が近付く前から雨が降り出し、結局、降り終わりまでの総降水量が非常に
多くなり、土砂災害の危険も大きくなるわけです。

 

②強風・暴風

こないだも書いた通り、台風の進行方向に対して右半分は、台風の移動速度と重なるため、特に風が強まる恐れがあります。だから、台風の進路予測を見ておくのはとても大事です。台風が通過したあとも、やぁ~通過したぜ!って気を抜いてはいけません。なぜなら、それまでとは大きく風向の異なる強風が台風に向かって吹き込み(吹き返しの風)油断禁物です。

 

③高波

台風の強風は、海面を勢いよく波立たせます。しかも、台風が遠い所にいる時には、周期の長い波(うねりと言います)となって伝播してくるため、波に関しては台風の接近前~通過後の長期間に渡って警戒する必要があるのです。

 

④高潮
かなり警戒しなければならない要素です。
例えば、台風ってのは中心付近の気圧が極端に低いですから接近すると気圧が低下し、海面が吸い上げられてしまいます。(吸い上げ効果)しかも、1hPaあたり1cmも上昇しちゃいます。
さらに、強風による「吹き寄せ効果」によって、潮位が高くなる恐れもあります。特に、風が吹いてくる方向に向かって、V字に開いている湾奥は非常に危険です。
<V字型の湾奥に吹き寄せる感じを描いてみました> 

 

吸い上げ効果+吹き寄せ効果+V字型に開いている湾奥、これらの条件が整っている時に、さらに台風の最接近と満潮が重なった日にゃ、もう最大限の警戒が必要というわけです。

このように、台風はただ大雨や強風に備えておくだけでは甘いのです。防災はいろんな想像力を働かせる必要があるのです。だから台風って、コワイんだよ~!気を引き締めて!

 

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