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蒸し暑い陽気ですね…

梅雨明けまだかなあ…
早くも、このジメジメがうっとうしくなってきた。あ、梅雨ってかなり大きな組織なんですよ。

<梅雨前線のミステリーについて>
は、こないだ書きました。要するに、東経130度付近から東側と西側では、一本につながった梅雨前線であっても、その南北の空気の性質差が異なる。

東側は、通常の前線の定義通り「密度」の差

西側は主に「水蒸気量」の差

でした。詳しくは6月7日「梅雨前線のミステリー」をご覧ください。
そもそも、梅雨前線がどうしてできるのか?

東西に長~くのびる前線の東側は、太平洋高気圧の日本付近への張り出しによる暖湿気と、オホーツク海に停滞する高気圧からの冷たく湿った空気との間に形成されるもの。

じゃあ、中国大陸の方までのびてる西側はどうなってる?というとアレですアレ。
モンスーンです。

 

<アジア・モンスーン>

モンスーン」はアラビア語で「季節」を意味する言葉からきています。
大きな風系が季節的に変わり、例えばモンスーン地域では夏と冬で風がほぼ逆転しますよ。

これは、冬の風系↑

 冬はシベリアやチベット高原に中心を持つシベリア高気圧から風が吹き出します。冬季、日本付近に吹きつける北西風がそれ。

夏の風系↑

一つは、南インド洋からアフリカ東岸沿いに北上した流れが北東に向きを変えて、インド半島の西岸に向かう、インドの南西モンスーン。もう一つは、西太平洋から北~北西に向かう流れ。

なぜこのような風系の変化をするのか?というと、大陸と海洋の熱的性質の違いによって起こります。

つまり、夏は大陸がぐいぐい暖まり、フライパン状態になった陸地は低圧部となります。すると、その低圧部に向かって海洋から暖湿気が流れ込む風系ができるのです。(冬はその逆)

<チベット高原があるばっかりに…>

インドの北部にででーん!と広がるチベット高原
平均高度5000mクラスのコイツは、実は日本の梅雨~夏の天気に大きな影響を与えています。
そりゃ、影響しますよね…。
対流圏はおよそ10~15kmぐらいで、対流圏のど真ん中まで達しているわけですからね

 

具体的にチベット高原は何をやらかしているのか?

一つは、アジア・モンスーンの流れへの影響。
インドの南西モンスーンの話をしましたが、あれはチベット高原があるせいで、モンスーンの流れはチベット高原を越えられず、南東部を迂回させられる形になります。また、高原の北側には相対的に乾燥した気流が流れています。

高原を迂回したモンスーンと北側の流れは、ちょうど中国北部から日本付近で合流してしまうのです。これが、水蒸気量の差が大きい梅雨前線となって、西日本に大雨をもたらしやがるのです

 

ちなみに、梅雨明けは
 

太平洋高気圧の日本付近への張り出しが強まると、モンスーンの流れが断たれ、さらに前線が北に押し上げられて解消していきます。 

 

 もう一つは、熱源としての役割。 
夏になると陸地が暖められると言いましたが、チベット高原は約5000mで強い日射に晒されるわけですから、もう対流圏のちょうど中間あたりに、強烈な熱源ができるということです

すると、この高原より上空の空気は膨張して、対流圏上層に有力な高気圧ができてしまいます。

それが、チベッ高気圧です。

 昨年の夏、何度か聞いた事があるかも知れませんが…。
このチベット高気圧が発達して、日本付近までぐおーっと張り出してくると、日本の南海上のあったかい空気の塊である太平洋高気圧と連結して、下から上まであっつい空気に覆われ連日の晴天・猛暑をもたらします

 また、梅雨前線上にこのチベット高気圧が張り出してくると、前線の活動を活発化させる可能性があり、ちょっと迷惑な存在です。

 つまり、チベット高原があるのと無いのでは、今の日本の気候とは全く違ったものになったかも知れない…
チベット高原が無かったら、日本に梅雨が無かった…という説もありますよ

 

このように、お天気は空ばっかり見てるんじゃダメなんです。

地表面の状態に、大きく左右される部分があるのですね

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担当:o.nakamura