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【読むeラーニング】第1章 太陽系 〜その12〜「大気の鉛直構造・成層圏」

気象予報士講座「大気の鉛直構造・対流圏」より

気象予報士講座「大気の鉛直構造・対流圏」より

(その11の続き)

じゃあどうしてオゾンの濃度の極大と温度の極大が一致しないのでしょうか。成層圏の温度の極大は成層圏界面にありましたよね。高度50kmぐらいが一番温度が高いんですよ。なのに熱源だと言っている一番分解がされる所が25kmにあるわけですよ。ここにオゾンがたくさんあるんだからここに温度の極大があっても良さそうじゃないですか。でも一致しない。その理由はなぜかというのをちょっと見ていきましょう

オゾン濃度の極大と温度の極大が一致しない理由として、簡単な絵ですが、要するにオゾンが25kmにあって上に行くほど少ない。ここのほうが多いのですが、紫外線は太陽からなのでやはり上から降り注いできますね。上から降り注いできますので、実は上のほうでたくさん吸収されちゃうんですよ。上のほうのオゾンは数が少ないけどたくさん吸収されちゃって、下のほうはオゾンがたくさんあるのに紫外線が届く分量が少なくなっているということなんです。つまり紫外線が上のほうで吸収されちゃうから下のほうまで十分な量が届かないというのが1つあります。

なおかつ、上に行くほど空気密度がどんどん小さくなっていくんですね。そうすると少しの熱で温度が上がってしまう。ちょっと温度の熱が上昇する。熱容量という言葉を聞いたことがあるかもしれませんけど、これは熱容量が小さいんです。だからちょっと熱を出せばすぐドンと温度が上がってしまうので、結局はオゾン濃度の極大と温度の極大は一致せず、この高度(25km)でオゾン濃度が極大なのに、一番温度が高くなるのはこの高度(50km)ということになるんですね。なんか分からなくなったら整理してみてください。

もう1つちょっと面倒くさい特徴がありますね。「オゾン全量は低緯度で少なく高緯度で多い」。またトリックですよ。低緯度で作られているはずなのに全量のフタを開けてみたら高緯度で多いというのは一体どういうことなのでしょうか。実はこれももっと後の講座で出てきますけれども、成層圏を含んだこういう大気のことを中層大気と言うのですけれども、今、青い矢印とか緑の矢印で書いてあるのは大気の動きです。実は中層大気の中にはこういう循環があるんです。

今言ったように、赤道のこの辺の成層圏の下のほうでせっせとオゾンが生成されるわけなのですけれども、実はここには、この青い矢印で見ていただいた通り、低緯度から高緯度に向かう流れがあるんです。なぜか低緯度から高緯度に向かっちゃう流れがあるわけなんです。なので、ここでせっせと作られたオゾンはどんどん冬極のほうへ流れていきます。北半球が冬のときは北極、南半球が冬のときは南極方面、それを冬極とか夏極と言うのですけれども、低緯度の上空で作られたオゾンはこの流れに乗って冬極側にどんどん運ばれているわけなんですね。だから結局は、作ったのはここだけど、分布としてどこに一番多いかと言うと高緯度側で多くなっちゃうということなんですね。

これが成層圏の主な特徴になります。特にこのオゾン層に関しては学科の一般分野では必ずと言っていいほど1問は出ますので、よく整理しておいてください。

第3章 大気の熱力学2 〜その1〜「相変化・大気中の水分」へ続きます。

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