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「メソ気象研究会」に行ってきました!3

前回に引き続き、「メソ気象研究会」の中身をご紹介します。まずは、復習がてらプログラムを

振り返ります。

*「平成24年7月九州北部豪雨(矢部川や豊後竹田)での被害調査」

林泰一(京都大学防災研究所)※前回アップしました

*「平成24年7月九州北部豪雨の発生要因」 加藤輝之(気象研究所)

*「梅雨期の大雨における台風の遠隔影響」 吉田健二(気象庁気象情報課)

*「平成24年7月九州北部豪雨における現地気象官署の対応」 木下仁(気象庁予報課)

*「気象庁の短時間降水予測技術の現状と将来」 佐々木洋(気象庁予報課)

*「平成24年7月九州北部豪雨の予測可能性」 國井勝(気象研究所)

*総合討論

「先端研究と一般市民の防災意識をつなげるもの」 茂木耕作(海洋研究開発機構)

「メソ気象研究や気象庁に対する要望と期待」 佐々木恭子(気象予報士)

今日は、2つ目の「平成24年7月九州北部豪雨の発生要因」です。

…と、その前にこの前フリから。こんなこと考えつつ、見てほしいな、ということです。

<モテサクさんから…こんなふうに講演を聞いてほしいぞ(総合討論の前フリ)>

 

<2人目の講演「平成24年7月九州北部豪雨の発生要因」>

講演者:加藤輝之(気象研究所)

まとめてみると…平成24年7月九州北部豪雨の時は

①上空が西谷傾向+前線の南側で太平洋高気圧の西への張り出しが強かったこと、それらのせいで梅雨前線帯を挟んで気圧傾度が大=南西風が強まりやすい=下層の水蒸気フラックスが大きくなる場だった。

②梅雨期の平均大気状態(下層がある程度暖かくて、湿ってる状態)においては、わずかな暖気移流+わずかな水蒸気量の増加で、積乱雲が圏界面まで達するほど発達する。という中で下層1kmあたりに360K以上の高相当温位の空気が流入していた+前線帯南縁で気温減率が5.5℃/km周囲より大きめの気温減率で、安定度が悪かった状態だった。

③適度な鉛直シアで、線状降水帯が停滞する場となった。

④西側斜面の強制上昇で、阿蘇地方で大雨となった。ただし、線状降水帯の形成には山岳はあまり関与していない。

そのようなことでしょうか…
こんなにたくさん原因があるじゃないか!(・o・)

 

九州北部豪雨の原因をテレビの天気予報などで気象予報士が解説しているものを何件か拝見しましたが
「非常に暖かく湿った空気が流れこんだため」としか聞いてません(>_<)!

今回の場合は、「なんでこんな暖かく湿った空気が流れ込んだのか」という部分を説明しなければならなかったのかも。
限られた時間の中で伝えるお天気は一言では言い表せない難しさがあります。

 

<私が、加藤さんの講演を聞いて思ったこと>
経験したことのない豪雨になってしまいましたが、よく考えて見ると、これらの要因は決して「すごく珍しい場」ではない気がします。(確かに、たまたま条件は揃ってしまいましたが。)

では、この次に例えば同じような状況になった場合に、「経験したことのない」危険なニオイを察知できるだろうか?
経験済みだからって、ここまでのことを予測できるか、難しいところです。

 

<そう言えば!>

私は、②の梅雨期の平均大気状態について、ちょっと新鮮な驚きがありました。それは、梅雨前線帯の気温減率についてです。950hPaと500hPaの温度差を見ると、平均気温減率がかなり小さい(通常6.5℃/km程度。梅雨期は5℃/km程度)のが普通の梅雨前線帯=上の空気があったかい=積乱雲が発達しにくい。。。あれ?そうなんだ!では、なんで積乱雲が発達できるのか?

それは…

梅雨期の平均大気状態(ある程度、暖かくて湿った下層)の中で⇒わずかな暖気移流+わずかな水蒸気量の増加 = 積乱雲がガッツリ発達
そう、「わずか」でいいんですって。その「わずか感」が、気温減率が約0.2℃ぐらい高くなればってところがホントのわずかだな…って思ったのです。(下層の気温1Kぐらいの上昇でOK)

改めて、もう一つの季節「梅雨」の奥深さ、難しさに気付きました。

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