東京の桜は満開となりました
熱帯低気圧キターーーッ!と思いましたが、
どうも台風には昇格しないような雰囲気です。
デキソコナイの台風…でも、せっかく生まれたわけだし、
今日は移動高にすっぽり覆われて言うことなしの天気
(夕方やや強風)なので、台風についての話です。
<熱帯低気圧から台風への昇格>
そもそも熱帯低気圧とは、
赤道を挟んで緯度5~25度あたり、
海面水温が26~27℃以上の海上で発生する低気圧。
この熱帯低気圧が台風に昇格するタイミングはいつか?
それは、最大風速が17.2m/s(秒速)以上になった時。
なんだそんなこと…っていう、ちょっと肩すかし食らった感じ。
これが台風の元になるのですが、「低気圧」っていう名前の
くせに、天気予報でよく聞く「低気圧」とは構造が違うのです。
<台風は温帯低気圧とは構造が違う>
お天気の勉強をしていると、割とビックリするのが
「台風は温帯低気圧とは構造が違う」ということ。
温帯低気圧とは、日本付近をちょくちょく通過する、
前線を伴う低気圧のこと(前線は表現されないこともある)。
その構造は、暖かい空気と冷たい空気がぶつかる境目で、
温度差を無くそうとする方向に空気が動き、これが運動エネルギー
となって発生・発達する低気圧です。
一方、熱帯低気圧は暖かい空気だけでできる低気圧。では、
その運動エネルギーはなんだ??
それが水蒸気の凝結によって放出される「潜熱」なのです。
「潜熱」は、水が相変化(水の状態が気体や固体に変化すること)
する時に、必ずやり取りされる熱のことです。水蒸気が水になる時
には、潜熱は放出される。まさにこの熱が、台風のエネルギー源に
なっているのです
<台風の発生・発達を簡単に…>
①熱帯の海では日射が強く、海から大量の水蒸気が発生し、
上昇気流が発生します。すると、その下層では上昇した空気を補う
ために大量の水蒸気を含んだ空気が吹き込んでくる。
②そうして集まってきた空気は、地球の自転の影響を受けて
渦を巻くようになる。空気が渦を巻きながら上昇し、渦の中心気圧
はぐんぐん下がり、中心に吹き込む風が次第に強くなる…
こうして、熱帯低気圧からさらに台風へと成長。
③渦の中心で大量の水蒸気が上昇して凝結する(雲ができる)と、
大量の潜熱が放出される。その熱で周りの空気が暖められ、
上昇気流がさらに強まり、さらにさらに水蒸気たっぷりの空気が
吹き込む…。これが、台風の発達です。
つまり、台風は水蒸気に生かされてるのです。
例えば、台風が日本付近の冷たい海域にやってきたり、はたまた
陸地に上陸したりすると、水蒸気の補給が減少し、台風は衰えて
しまうのです
<ホントに目があるんじゃないの?な話>
台風の進路を見てると、ちょっとオモシロイことに気付きます。
中国大陸を目指して西進している台風が、わぁ上陸するよ~っ!て
所で、急に東向きにコースが変わったりします。また、
日本の南岸沿いを上陸するの?しないの?っていうビミョーな
コースで日本付近を掠めたり…。
上陸すると水蒸気の補給が減少するから、嫌なのかな?
まるで陸地を避けてるみたい。「台風の眼」っていうけど、ホント
に目で見てるんじゃないのか?そんな動き。まるで、台風に意思が
あるようで、なんだかカワイイです。
実はこれは、上空の風に左右されてるだけなのですが。
<台風の進路>
台風は、これを移動させる大規模な流れがなければ、地球の自転の
効果により北上する性質があります。でも、そうはならないのが、
太平洋高気圧の存在です。
台風は、太平洋高気圧の周りをぐるーっと回るように移動します。
夏の間は、太平洋高気圧が南海上から大きく広がっているので日本
にはなかなか近付けません。ところが、秋になると太平洋高気圧が
後退してくるため、日本付近を通りやすくなるのです。
9月~10月あたりが日本の台風シーズンと言われるのは、
このためです。
太平洋高気圧の盛り上がり具合。
赤線が秋ごろ、青線が夏真っ盛り。
台風は、この周りに沿うように移動します。
台風は、強風や集中豪雨などの気象現象を伴い、特に日本に接近
しやすい秋には様々な農作物に被害をもたらします。なんだか、
私たちの生活を困らせるばかり、台風は百害あって一利なしと
思われがちです。しかし、台風はなきゃないで困るものなのです。
台風による降水は、
日本の水がめを豊かにするために必要だし、
台風によるダイナミックな空気の撹拌は、
地球の温度のバランスを保つために必要。
つまり、台風は日本にとっても地球にとっても、必要不可欠なもの
なのです。
さて季節は進み、本格的に北半球があったかくなってきた
今日このごろ。
今年はどんだけ台風がやってくるんだろ~ね?
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担当:o.nakamura