台風1号ができたー!
南海上で雲がもそもそしてんな~…と思ったら、
熱帯低気圧になり、そして順調に成長し、
昨日無事?台風1号に昇格!
熱帯低気圧は台風のたまご的存在です
<台風のたまご 熱帯低気圧から台風へ>
熱帯や亜熱帯の海洋上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」といいます。
赤道より北、東経100度~180度の間の北西太平洋域に存在する熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速が17.2m/s以上になると「台風」となるのです。
台風においては、「風」が規模や強さの基準になります。
さっきからサラッと熱帯低気圧と言ってますが、実は普段から日本付近をぶりぶり通って行く低気圧とは、仕組みや性質が全く異なっています。
<台風の特徴>
熱帯低気圧は、海面水温が26~27℃の暖かい海の上で発生します。暖かい海域で風が収束し、上昇流が発生して雲がもくもくしてきます。その雲にコリオリ力(地球の自転に伴う見かけの力)が加わり渦運動が生じて、台風に成長していきます。
台風が成長していくのに必要なのが、大量の水蒸気です。
強い上昇気流で水蒸気を含む空気が上昇すると、凝結によって大量に潜熱が放出されます。
実はこの潜熱が、台風のエネルギー源となっているのです。
つまり、台風の発達はこんな感じ…
暖かい海域を通っている間、下層から大量の水蒸気を補給され続け、凝結により放出される潜熱で、また雲内の温度が上がり、さらに上昇気流が強められ、中心気圧がぐんぐん下がり…
という具合に繰り返し、台風はモリモリ成長していくのです。
逆に言うと、水蒸気の補給が少なくなると台風は勢力を維持できなくなるのです。ガーン!
それは、どういう状況か?
例えば、台風が陸地に上陸しちゃった時や、海面水温が低い地域に移動してきた時などです。
水蒸気の補給が少なくなり、エネルギー源が断たれてしまうため台風は衰えてしまうんですね~。
高緯度に進んでくると勢力が衰えるのはそのためです。
<台風VS温帯低気圧>
では、日本付近をぶりぶり通る低気圧と台風はどう違うのか?
同じ「低気圧」という名前なのに、人間と宇宙人ぐらいその出生も成長過程も、エネルギー源も違うのです。
最も違うのはエネルギー源かな
温帯低気圧のエネルギー源は、南北の温度差です。
冷たい空気とあったかい空気が隣り合った時、空気密度の差で冷たい空気は、あったかい空気の下に潜り込もうとします。その力、つまり有効位置エネルギーが温帯低気圧の発達のエネルギーです。言ってしまえば、温帯低気圧は水平方向の温度差さえあれば水蒸気なんて無くても発達できるのです
だから、温帯低気圧にはビシッと前線(暖気と寒気の境目にできる)が現れ、前線に従う形で降雨域が分布しているのです。水平方向に温度差が大きいのは、中緯度大気の特徴です。
温帯低気圧が日本あたりを頻繁に通って行くのはそのためです。
一方、熱帯低気圧(台風)は…
エネルギー源は、さっきも言ったように水蒸気の潜熱です。
温帯低気圧のような温度差は必要なし。低緯度地域の水平方向の温度差が小さく、暖かい空気のみで発生します。
だから、前線を伴うことはなく、雲・風・降雨の分布が中心に対してほぼ軸対象になるわけです。
なかなか複雑ですね~低気圧って…
<台風の形>
台風の渦巻きの大きさは、数100km~1500km以上にもなりますが、台風の高さは対流圏界面ぐらいまで、つまりせいぜい10~15kmぐらいしかありません。でっかいCDとかフリスビーとか、とにかくとても薄っぺらな構造です。
また、台風の地上付近の風は、北半球では反時計回りの渦巻きです。そのため、進行方向と同じ風向になってしまう右側(東側)は、左側よりも強い風が吹く可能性があり、さらに警戒しないといけないのです。
※へたくそな図で説明しますと、黄色い矢印の方が進行方向と風向が同じで、暴風により警戒しなくちゃならない…ということです。
台風1号は、このあと11日~12日にかけて沖縄方面から九州の南海上の方に近付いてきます。その頃には熱帯低気圧に降格してるかも知れませんが…。
日本付近、上空の寒気が強くその下層に台風からやたら暖かく湿った空気が流入するという状況です。これは梅雨前線を非常に刺激しやすいことを意味しています。今後の動向に注意が必要です。
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