今年初めてのかみなり様!
もともと、今日は上空の寒気が入ってくるということで大気の状態が不安定。で、西日本~北日本の広い範囲で雨、関東地方でもシアに沿って所々強い雨があった。予定通りだね。
ところで、4月18日にも寒冷渦のお話しをしたのだけど、今回の雨も寒冷渦からのびる寒気トラフの影響だった。
そこで、
寒冷渦についてもう少し詳しく勉強しましょうぞ
<17日の寒冷渦>
17日9時の上空はこんな感じ。まず500hPa(上空5500m付近)の高度と渦度。
日本海北部、北海道の西方海上に寒冷渦があるの分かるかな。
寒冷渦の作り方は、4月の16日にも書きましたが、ここで復習。
実線は、等高度線。偏西風の流れに沿って南北にぐにゃぐにゃしている。
この南北の蛇行が大きくなると、振幅の南側が切れて閉じた等高度線になる。
流れから切り離される時、中心に寒気を取り込んでぐるぐる…
これが寒冷渦ね。
こないだも言ったけど、大きな流れから切り離されてるから動きが遅く、いつまでたっても同ポジでぐるぐるしていることもある、実は危険なヤツだ。
で、同時刻の地上
危険なヤツ…と、ご紹介したものの地上天気図で見ると、
どこが具合悪いんだ~?ってハッキリしない。
実はこれが寒冷渦の特徴の一つ。
上空は低気圧性が強いけど、下層ほど低気圧性はぼんやりする。
<もう一つの特徴は、温度場にあるずら>
「寒冷渦」は気温と空気の流れに着目した言い方。
例えば、気圧に着目して「切離低気圧」って言うこともあるし、「寒冷低気圧」と言うこともある。
おやおやちょっと待て
天気の勉強を進めてくると、ここで疑問にぶち当たる。というのは
「ある高度での気圧は、それより上空の空気の重み」だべ?
だから、低気圧の中心は周囲よりも気温が高くて、空気密度が小さいのが当然なハズ。なのに…
なんで中心付近に寒気を持ってるヤツが「低気圧」を名乗れるわけおかしくねということ。
考えられることは、ただ一つ。
500hPaより上空には、きっと周囲より暖かい空気の層があるに違いない、いや。無きゃ~困るのだ。
<17日9時 500hPa高度・気温>
250hPaは、500hPaの高度の大体倍ぐらいの10km程度。
あれ?等温線をたどっていくと、北海道の西方海上で周囲の気温より高くなってる
あったー!あったかい空気の層だ
500hPaと250hPaをどっきんぐして見てみよう…
わお~ちょうど500hPaの寒気の上に、250hPaの暖気の塊が乗っかってるよ~
これが、寒冷渦の大きな特徴の一つ。
大気中層500hPaあたりにある寒気…
当然、周りより密度が高く、寒冷渦の中心付近で下降流となる。
それに伴って、対流圏界面が垂れ下がり、圏界面の上
下部成層圏の空気が断熱圧縮され、昇温する。
これが、寒冷渦の上空、圏界面付近にある暖気の塊(暖気核)の原因。
ということで、寒冷低気圧とか切離低気圧とか名乗れる権利があるんだね~
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