【読むeラーニング】第2章 大気の熱力学1 〜その18〜「静力学平衡」
(その17の続き)
これを用いて静力学平衡の式に今までやってきた気体の状態方程式の式を組み合わせて用いますと、層厚というのが分かります。層厚とは2つの等圧面で挟まれた領域の高度差です。文章にすると本当によく分からなくなってしまうのですけれども、要するにΔZです。先ほど見ていただいた下の面と上の面の高度差です。これを層厚と言います。この2つの等圧面で挟まれた領域の高度差ΔZのことを層厚と言うのですが、層厚にはとても重要な決まりごとがあります。層厚は層厚内の平均気温に比例するという決まりがあります。難しくはないのですが、層厚内の平均気温が大きくなったら空気は膨脹して層厚が高くなるんです。冷やされたら収縮して層厚が小さくなります。大雑把に言うとそんなところです。だから層厚は平均気温に比例するんですね。そういうふうに考えます。そうすると今後の天気の変化とかでもいろいろ出てきますのでこれは基本の考え方として覚えておいたほうがいい考え方ですね。
気体の状態方程式p=ρRT、静力学平衡の式Δp=ρgΔZ、この2つの式に共通する項は密度ρですね。だからこれを合わせて1つすると、Δp=pgΔZ/RTということになって、今出したいのがΔZということですね。層厚を出したいのでΔZイコールの式にしたいんですね。ΔZイコールの式にするとこんなふうになります。ΔZ=(ΔP/Pm)×(RTm/g)。なぜあれを変化させただけなのに急にPmとかTmとかよく分からないのが出てきたのかということなんですが、実はこれは平均気圧とか平均気温を表しています。層厚内の平均気圧と層厚内の平均気温をそれぞれ表しているんですね。
平均気温はいいのですが、問題は平均気圧のほうなんですよね。平均気圧は先ほどまで勉強してきた通り、気圧は下のほうは圧縮されて密度が大きくて、上に行くに従って密度が小さくなっていくので、そう考えますと、気圧を例えば層厚の上と下を足して2で割るみたいな平均気圧の出し方だとちょっと都合が悪いというかちょっと雑過ぎるわけなんですね。
(その19へ続きます)
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