【読むeラーニング】第2章 大気の熱力学1 〜その28〜「乾燥断熱減率・温位」
(その27の続き)
言い方が難しいかもしれないけど、要するにこれは飽和ということなんです。飽和状態です。もうこれ以上水蒸気の量をこの気体には含めない、水蒸気として存在することはできないといういっぱいいっぱいな状態が飽和状態ということなんですね。この飽和状態、このとき含める水蒸気の量というのが温度によって違う、というか温度によることでしかないんです。その関係をこちらのグラフに表してありますけれども、飽和水蒸気圧と温度の関係です。温度が高くなると飽和水蒸気圧はどんどん大きくなるんですよ。温度が低いと飽和水蒸気圧は小さくなっていきます。逆に言うと、飽和水蒸気圧と温度の関係というのは、今言ったように温度が下がれば飽和水蒸気圧が小さくなる、温度が上がれば飽和水蒸気圧が大きくなるということで温度だけなんです。もう温度だけで勝手にやっている。飽和水蒸気圧は温度にのみ左右される値だということなんですね。
水蒸気が絡んでくるとちょっと面倒くさいかなっていうのが分かったと思うのですけれども、次回はこの水蒸気を含んだ空気塊がどういうふうに振る舞っていくのか、水蒸気を含む空気塊の振る舞いについて勉強していきます。だからどういう状態で空気の中に水蒸気が存在するかというその表し方から勉強していかないといけないのですけれども、次回以降は水蒸気を含む空気塊について勉強していきます。
(その29へ続きます)
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