【読むeラーニング】第1章 太陽系 〜その7〜「大気の鉛直構造・対流圏」
(その6の続き)
実は6.5℃/kmの気温減率というのを一番初めに言いましたけれども、あの6.5℃/kmというのは、対流があってこそ成立する気温減率なんです。もし対流がなかったら、太陽放射と熱伝導だけでジワジワと下から温めるだけしかなかったら気温減率はもっと大きいです。1km上がったら30℃下がっちゃうぐらい、分からないですけど、とにかくとても気温減率が大きくなってしまう。6.5℃/kmで済んでいる理由はこれがあるからということを覚えておいてください。まさに対流圏ということですね。
あと対流圏界面というのは先ほどよく変動して幅があるという話をしたと思うのですけれども、実際こんなふうな差があります。赤道方面と極域という低緯度側と高緯度側で分けて考えてみますと、熱帯地方は高いときには18kmぐらいになったりします。そこはもうまさに熱でもう十分に空気が温まっていて空気がブワーッと膨脹しています。膨脹しているものですからすごく圏界面高度が高くなっているんですね。これが18kmにまでなる理由です。
その一方で、極地方だともっと低い。8kmよりももっと低いことがあります。高緯度地方というのは空気が冷たいのでギューッと収縮してすごく高度が低い。圏界面高度自体が低くなるんですね。私たちが生活している中緯度帯、日本が位置するのはその中間ぐらいということです。夏になりますと12kmとかそれぐらいの高度まで上がることはありますね。同じ緯度帯でも、今言ったように冬と夏ではやはり空気の温かさが違いますから、そうすると圏界面高度が変わったりするわけです。だから幅を持たせて言っていたんですね。
実はこの対流圏界面の温度というのにはちょっとしたミステリーがあります。赤道は暑くて極地方は寒いですよね。じゃあ圏界面付近の温度も当然こっちが温かくてこっちが低い気がしませんか?一番初めに圏界面付近の温度が220Kと書いてありましたがあれは平均です。平均して考えたときにということなのですけれども、例えば実施に計算してみましょう。
(その8へ続きます)
講座サンプル
てんコロ.の気象予報士講座 大好評発売中!
気象予報士講師としても、気象庁や大手企業での予測業務でも活躍中の気象予報士、佐々木恭子先生による合格対策講座です。
国家資格の気象予報士試験は合格率5%という難関の資格です。一方気象予報はとっても身近な存在であり、誰もが気象に興味があれば学んでも楽しい分野です。
キバンインターナショナルのクロマキーシステムを駆使した映像は、気象画像を多く使用する当講座にはベストマッチです。佐々木先生の講義も個性あふれていて楽しい講座です。 講座は分かりやすくするため、なるだけ専門用語を使っていません。
普通のテキストでは図解されていないようなところにもふんだんに図解を盛り込んでいます。
「文系だから」「合格率悪いから」「物理避けてきました」。そんな初学者の方にも分かりやすく丁寧に解説しています。eラーニングにも関わらずリラックスできる雰囲気が特徴です。
講座の詳細、無料体験、ご購入は下記をご覧ください。 http://tenki.elearning.co.jp/?page_id=15
ログインはこちらから。
「eラーニングをすべての人に!」
株式会社キバンインターナショナル KiBAN INTERNATIONAL CO.,LTD.
Web : http://elearning.co.jp
E-mail : international@kiban.jp
担当:kobayashis