【読むeラーニング】第3章 大気の熱力学2 〜その6〜「湿潤断熱減率」
(第3章 大気の熱力学2 〜その5〜「湿潤断熱減率」の続き)
「湿潤断熱減率をまとめてみますと、大体大気の下層の方です。って言うのは、水蒸気量が多いですので、そうすると潜熱を出す量も多いですから、4℃/km。1km毎に4℃下がるぐらいの割合で、非常に緩やかな温度減率になります。そのさらにちょっと上に上がっていくと、6~7℃/km、でさらに上昇すると、水蒸気量は少なくなってきますから、次第に乾燥断熱減率に近づくと。で実際グラフでもですね、乾燥断熱減率の傾きに、上層の方は湿潤断熱減率もだんだん傾きが乾燥断熱減率に近い形になっていってるのがわかると思います。」
「でさらにですね、乾燥断熱減率の時に勉強した、空気塊そのものの温かさ、温位っていう話をしました。温位っていうのは、空気塊そのものの温かさで、空気塊を1000hPaまで下ろしてきたり上昇させたりした時のその温度、空気塊の温度を温位って言いました。ところがですね、これ温位っていうのは、凝結とか蒸発が起こると、この温位は変化してしまうんですね。そうすると本来の空気塊の温かさっていうには、ちょっと足りない、そこでその水蒸気の分まで加味した、水蒸気が持ってる潜熱の分まで加味した温位、温かさを考えましょうというので、相当温位っていうものがあるんですね。」
「じゃあ相当温位っていうのがどういうものかっていうのを見ていきます。例えば空気塊がありますけれども、この空気塊をまず上昇させていきましょう。これ未飽和の空気塊です。未飽和の空気塊を水色の線、乾燥断熱変化させていきます。そうすると、Aの点のところで、飽和に達しました。飽和に達したら、そこから先は、今勉強した湿潤断熱減率に沿って上昇させていく訳ですね。」
(第3章 大気の熱力学2 〜その7〜「相変化・大気中の水分」へ続きます。)
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