私は気象予報士の資格を取って、5カ月後…
予測業務を行う仕事に就きました。
そして、初めて職場へ行った時のお話です…
気象予報士の仕事は、いわゆるテレビやラジオでお天気を読むことだけではありません。
ってなことは、もちろん予報士の資格を取る前から知っていましたが裏では、エライ大人数が働いてたのです!
例えば、大きな船が大海原を安全に航行できるように地球規模の波の予報をしているチームもあれば、10分後、20分後の野球が出来るかどうか??野球場の予報をコンサルティングしている人もいる。
「そんなもん、分かるわけない!」(T_T)
もちろん、先ほども言ったように気象予報士の資格を取ったら、一通りどんな仕事があるのかということは調べてはいましたが…
実際に現場を見たのは初めてですから、ビックリしちゃいましたo(TωT )
「天気予報」って一口に言っても、種類も用途も全く違う予報がたくさんあるんだな…。
そんなこと言ってるうちに、予測業務が始まりました。
初めて仕事をした時の印象は
「予報士の資格はすぐには使えないΣ(・ω・ノ)ノ!」
使えないっていうのは、勉強したはずの内容がうまく生かせない、なんかもどかしいような感じです。
例えば…
なんだなんだ?この天気図は?
何の特徴も見出せない…
風向・風速の変化を出せるのか…
上空に谷もない…
渦もない…
前線もない…
予報士の資格を取ったのに、なぜこんなことになったのか?
実は試験では、「大雪」だの「大雨」だの「突風」「台風」などなど、
顕著な現象を勉強します
上空のトラフも分かりやすく深い、渦だって分かりやすく強い。
850hPaのシアも上昇流も、ここだよ~!って挙手してるみたいに明瞭。
前線なんか、そこにしか書きようがない!ってぐらい。
まだ勉強を始めていない人にとっては、何言ってんの?という感じですね
とにかく、資格取得に向けて勉強するのは
災害が発生するような顕著な天気図を見て、
何が起こるか?どうして起こるのか?
どこに前線があるのか?
それを勉強し、説明できるようにするものなのです。
しかし、そんな激しい現象が毎日起こるわけではありません。
そんなしょっちゅう、大変な気象現象が発生したら、たまったもんじゃありません。
前線なんて、あるんだかないんだか~ヽ((◎д◎ ))ゝ
あっちにもこっちにも前線引けそうだな~ヘ(・o・Ξ・o・)ヘ
なんか低気圧がたくさんあるよ~。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
実際に気象業務に就くと、そんなのら~っとした天気図を眺める毎日。
実際、現場のベテラン予報士さんたちは、日々の天気図を描くにあたり
「なんで気象庁は、これで前線描かないんだよ~」そんな風にブツク言ってることが
よくあります。まさに、予報官それぞれな雰囲気。
そんな状況であるのに、毎日、毎日、1日何回も、天気の変化、気温の変化、
波浪の変化、1時間毎の風向・風速の変化、その他もろもろ…
お客さんに提供しています。
「今日は何もないですよ~」なんて言えないのです。
これが天気予報だったのか
気象予報士は、一見、誰もなんの気にも留めなさそうな「おだやか」な日も、せっせと
予報を出しています。そうやって、いつ来るかも知れない激しい現象に備えていくのです。
なぜなら、天気は途切れることなく、毎日毎日、一秒一秒、過去から未来へ脈々と繋がってるから、
ポツっと天気図を見ても、正確な予報はできないのですね。
仕事に就いたばっかりの時は、ある意味カルチャーショックを受けましたが、日々刻々と変化する空気に、「あーでもねーこーでもねー」と言い合っている現場は、季節に寄り添うステキな現場だと感じました。