4月ももう下旬、もうゴールデンウィークが目前というところまで季節が進んできた今日この頃ですが…つい先日まで、春はまだか?いつまで寒いんだ、と言っていたような気がしませんか?今日は、そんな気象予報士の冬のお話しです。

 

予報士の資格をぶんぶん振り回して、さあ~やるぞぉぉぉと予報のお仕事を始めましたが、当初の目標は「気象予報士として、まず一通り季節を体験してみたい」ということ。

早く業務に慣れたいという事もありましたが、予報を出す側に立っての季節の移り変わりは、これまでとは違って感じられるのではないかしら?そんなワクワクから、早くいろんな季節を…と思っていました。

私が仕事に就いたのが8月ですから、すぐに秋、冬と季節は巡っていくわけですが、そこで一番驚いたのが「気象予報士は冬が一番忙しい」ということ。
季節によって忙しさが違うことにも驚きましたが、冬の忙しさの半端ない感じにもビックリしました。

 

予報士にとって冬は特別…

「降雪量」の予報は特別シビアなのです。
特に、道路に対する降雪量予測の提供は非常に厳しく、ホントに痺れます
もちろん暖候期も降水量予報が必要で、こちらも時間50ミリとか降っちゃうような短時間強雨など、シビアな現象

に対する緊張感はありますが、雪にはまた違ったプレッシャーが…。

たとえば「降水量1ミリ」
雨だったら、屁でもない量です。予報の雨量が3ミリのところへ
実際には5ミリ降ってしまったとしても、工事用の予測であったり
法面が崩れている所だったりなど、道路に特別な事情がない限りは
特に大きな問題はないでしょう。ところが、この降水量が雪だった
場合、大変な騒ぎになります。

 

「何時に何センチ降るの?」

「どの区間で多く降るの?」

「積もるの?積もらないの?」

「いつ止むの?」って…お客さんは色々知りたいのです。

これで、出した予報が当たれば問題ないのですが、ハズシタ日にゃこっぴどく怒られることもしばしば。ついでに、雪が降らない日にも嫌味言われたりして…。こうして予報士たちは、1月には早くも心がポッキリ折れて、冬の真っただ中に疲弊していくんですね…。
って、そんな暗い感じばかりじゃないです!

ただ、お客さんがガミガミ言いたくなるのも実は当然なのです。
私たちが出した予測によって、どこにどれぐらいの人員を配備するか、凍結防止剤の散布で済むのか?はたまた除雪車を用意しなければならないのか?など、体制を決定していくのです。
莫大なお金がかかっているのは一目遼前

だからこそこういう企業は、わざわざ大金を払って気象情報を買ってくれているのであって、より詳細で正確な予報が求められるのは当然なのです。

 

私は身を持って、気象情報を買ってもらうことの意味の大きさを感じました。そして、想像以上に覚悟を決めなければならない仕事なんだなと、改めて気象予報士の存在について考えさせられました。

気象予報士は冬の間中、疲弊しながらもなんとか3月を迎える頃になると、わずかな春の気配を感じ取ろうとしながら毎朝出勤してきます。そうして、「早く雪氷期が終わってくれないかな~

なんて思いつつ…
ようやく今、春を迎えたところなのです